Westase(酵母細胞壁溶解酵素)
酵母の細胞壁を溶解し、各種DNA調製、細胞内酵素の調製が可能です。
酵母のプロトプラスト調製ができます。
製品名 | 販売先 | 販売先コードNo. | 容量 |
Westase | タカラバイオ(株) | 9005 | 1 g |
特長 | β-1,6グルカナーゼ、β-1,3グルカナーゼ活性を主体とする酵母細胞壁溶解用複合酵素剤です。 特にβ- 1,6グルカナーゼ活性を主体とすることが、他の酵母細胞壁溶解用酵素剤との違いです。 本品は、子嚢菌酵母だけでなく、担子菌酵母、不完全菌酵母にも幅広く作用し、プロトプラスト調製が可能であり、また高いプロトプラスト再生率を持ちます。推奨条件下でDNase活性が認められませんので、酵母からの DNAの調製にも利用できます。 |
形状 | 凍結乾燥粉末(賦形剤として珪藻土を含む) |
保存 | 4℃、乾燥状態 |
起源 | Streptomyces rochei DB-34 |
規格 | β-1,6グルカナーゼ活性(37℃)400 U/g powder以上、 細胞壁溶解活性(30℃)35,000 U/g powder以上 |
至適温度 | 30~50℃ |
至適pH | 6.0 |
使用方法 | McIlvaine Buffer(0.1 Mクエン酸溶液と0.2 Mリン酸水素二ナトリウム溶液を約36.8:63.2で混ぜ、pH 6.0に調整します)に適当量溶解し、セルロースアセテートフィルターでろ過してから使用します。プロトプラスト調製時の浸透圧調整剤には、必ず酒石酸ナトリウム・二水和物を用います。対象の酵母は、必ず対数増殖期のものを用意します。 |
応用
各種酵母に対するプロトプラスト形成
菌株 | プロトプラスト形成率(%) | |
Westase | Zymolyase | |
Schizosaccharomyces pombe IFO 0351 | ○ | △ |
Saccharomyces cerevisiae X2180-1A | ○ | ○ |
Zygosaccharomyces rouxii IFO 1130 | × | ○ |
Hansenula mrakii RIB 522 | ○ | ○ |
Kluyveromyces lactis IFO 0433 | ○ | ○ |
Pichia anomala IFO 10213 | ○ | ○ |
Lipomyces starkeyi IFO 10381 | ○ | △ |
Filobasidium floriforme IFO 1915 | ○ | × |
Ustilago maydis IFO 5346 | ○ | × |
Rhodosporidium toruloides IFO 10512 | ○ | × |
Tremella mesenterica IFO 9310 | ○ | × |
Graphiola phoenicis IFO 9100 | ○ | × |
Sporobolomyces roseus IFO 1105 | × | × |
Brettanomyces bruxellensis IFO 0797 | ○ | ○ |
Candida colliculosa IFO 0663 | ○ | ○ |
Candida tropicalis IFO 1400 | △ | ○ |
Candida utilis IFO 0639 | ○ | ○ |
Kloeckera apiculata IFO 0865 | ○ | ○ |
Rhodotorula glutinis IFO 1125 | × | × |
Trigonopsis variabilis IFO 0755 | ○ | ○ |
Cryptococcus albidus IFO 0612 | ○ | × |
Phaffia rhodozyma IFO 10129 | ○ | ○ |
プロトプラスト形成率 ○:80%以上、△:50%以上、×:0%
文献
- 吉田光方子、西晶子、大淵和彦、北条知子、松澤昭仁、浜地正昭、熊谷知栄子(1997)
生物工学, 75, 229. - 西晶子、大淵和彦、浜地正昭、熊谷知栄子(1999)
生物工学, 77, 60. - 大淵和彦、西晶子、浜地正昭、熊谷知栄子(1999)
生物工学, 77, 137.
よくある質問
- 使用時のフィルターろ過は必要ですか?
- 賦形剤として含まれている珪藻土が不溶性なので、ろ過なしでは沈殿が生じ、扱いにくいと思われます。
ろ過は必ず行って下さい。なお、珪藻土はろ過助剤としての役割も持っております。
- バッファーはMcIlvaineでないといけませんか?
- 必ずしもMcIlvaineでないといけないというわけではありません。使用用途に応じて、使いやすいバッファーをお試し下さい。
- ソルビトールを浸透圧調整剤に用いたところ、プロトプラストができなかったのですが?
- 本酵素は、浸透圧調整剤として有機酸塩を用いないと十分な効果を発揮することができません。
必ず有機酸塩、望ましくは酒石酸ナトリウムを用いて下さい。形質転換のプロトプラスト再生時にはソルビトールを浸透圧調整剤に用いて下さい。
- 酵素濃度はどれくらいで使用するのが適当ですか?
- 反応時0.5%濃度で十分な効果が期待できますが、用途によってはより低い濃度の方が望ましい場合もあります。