遺伝子組換えカイコによる
タンパク質受託発現
発現システムの特徴
- 目的タンパク質を繭に分泌生産
絹糸は、主にフィブロインとセリシンという2種類のタンパク質から構成されています。本サービスでは、セリシン層に大量の組換えタンパク質を生産する遺伝子組換えカイコを作出します。 - 抗体など複雑な構造の
タンパク質に - カルタヘナ法:非該当
(ウイルスフリー)
カイコの作出時にバキュロウイルスを使用しないため、納品タンパク質はカルタヘナ法の規制対象外です。また、飼育過程で動物由来成分は一切使用しないため、ウイルスやプリオン汚染の心配がありません。
遺伝子組換えカイコ発現系とは?
- 概要
- カイコは、数千年の養蚕の歴史の中で、絹糸の生産性を高めるため繭を大きくする方向で品種改良が繰り返された生き物です。カイコは一頭あたり0.1~0.5 gの絹タンパク質を生産する能力を有しており、目的タンパク質を繭の中に分泌させれば、大量にかつ低コストで生産することが可能です。当社では繭に組換えタンパク質を生産する遺伝子組換えカイコを作出し、タンパク質の受託発現サービスを提供しています。
- 糖鎖構造
- 遺伝子組換えカイコで生産したIgGの糖鎖構造解析を行った結果、GlcNAcが付加した複合型糖鎖修飾が見られ、コアフコースが無いことが分かりました。フコースが無い抗体は、がん細胞等に障害を与える活性(ADCC活性)が上昇します。
発現実績
受託サービスの流れ
基本作業
- 発現ベクター構築(~2週間)
- 弊社保有の発現ベクターに目的遺伝子を挿入し発現ベクターを構築後、シーケンスを確認します。
- 第1世代遺伝子組換えカイコの作出(~3.5ヶ月)
- 発現ベクターをカイコ卵(約1,000個)に顕微注射します。
- 孵化したカイコを飼育・交配・産卵させます。
- 得られた卵からGFP蛍光を指標にスクリーニングを行い、第1世代遺伝子組換えカイコを取得します。
- 第1世代遺伝子組換えカイコの繭からタンパク質を抽出し、
SDS-PAGEまたはウエスタン解析により組換えタンパク質の発現を確認します※1。 - 第2世代高発現遺伝子組換えカイコの作出(~1.5ヶ月)
- 第1世代遺伝子組換えカイコの成虫を、アクチベーター(IE1:※2)を発現するカイコ成虫と交配させ
第2世代の高発現遺伝子組換えカイコを作出します。 - 第2世代高発現遺伝子組換えカイコの繭からタンパク質を抽出し、
SDS-PAGEまたはウエスタン解析により組換えタンパク質の発現を確認します※1。 - 組換えタンパク質の抽出(~1.5ヶ月)
- 第2世代高発現遺伝子組換えカイコの繭から目的タンパク質を抽出するためのバッファーを検討します※3。
- 最適なバッファーを用いて、繭から目的タンパク質を抽出し納品します※3。
- 繭において組換えタンパク質の発現が確認できなかった場合は、絹糸腺について発現を確認します。
- バキュロウイルス由来の転写調節因子
- 絹糸腺から回収する場合は、回収方法及び納品形態についてご相談させていただきます。
納期
遺伝子(cDNA)ご提供から7ヶ月
提供(成果)物
- 繭抽出液・・・繭10~20個分(若しくは絹糸腺からの回収物)
- 業務報告書
オプション
- 繭の追加生産
- 遺伝子組換えカイコの継代飼育
- 組換えタンパク質の精製
ご注文
ご注文内容に関する秘密は厳守いたします。
必要に応じ秘密保持契約を締結させていただきます。
価格、納期はその都度、御見積りいたします。詳細はお気軽にお問い合わせください。
- 全てのサービスは発現・活性を保証するものではありません。
- 本サービスは㈱免疫生物研究所の特許技術を活用しています。