エチル- α -D-グルコシド(α-EG)高含有清酒の開発と機能性素材への展開

α-EGとは

α-EGは、清酒中に0.1~0.3%程度(市販純米酒:弊社分析値)含まれる糖質です。清酒モロミにおいては、米麹中に含まれるα-グルコシダーゼ(以下AGL)の作用によってマルトース等のマルトオリゴ糖とアルコール(エタノール)から生成され、即効性の甘みと遅効性の苦みという独特の呈味性を示し、清酒の風味や濃厚味に関与しています。

清酒醸造におけるα-EG生成機構

大関では発酵中の糖質、エタノールの経時変化とα-EG生成過程の詳細な解析結果を基に、辛さの中にも旨みのあるα-EG高含有清酒の開発に成功しました。更に、この生成機構を利用してα-EGの高純度工業生産法の開発にも成功しました。

化粧品素材への展開

一方、カネボウ化粧品と長谷川香料のグループでは、清酒濃縮物の外用塗布が荒れ肌の改善に対し有用であり、その効果の主成分がα-EGであることを明らかにしています。そこで3社の共同開発によりα-EG高含有清酒を利用した化粧品素材の開発に成功しました。更にこの清酒濃縮物を含むサンプルを唯一の給水源としてマウスに自由摂取させた後、紫外線照射により荒れ肌を誘発させ、その指標となる経皮水分蒸散量(TEWL)を測定した結果、清酒濃縮物区分では、TEWLの顕著な抑制効果が見られました。この結果から、清酒濃縮物は飲用によっても紫外線による荒れ肌の発生を抑える美肌効果があることがわかりました。

参考資料

  • 峰時俊貴、長谷川和哉、尾関健二、熊谷知栄子:
    着色しにくい清酒または合成清酒.特許3445487
  • 長谷川和哉、峰時俊貴、尾関健二、熊谷知栄子:
    エチル-α-D-グルコシドの製造方法.特許3512623
  • 原武昭憲、小宮亜矢、杉田淳、池本毅、立原徹、駒井強、樋詰和久、尾関健二:
    清酒濃縮物の飲用摂取による美肌効果.第57回日本栄養・食糧学会、福岡、2003
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